エリザベス・カドリール
[ Elizabeth Quadrille ]


 カドリールは、18世紀中頃にフランスで流行したグループ・ダンスですが、このエリザベス・カドリールは、1950年頃にアメリカで創作された新しいカドリールです。美しい音楽と流れるような踊りは、日本でも大人気の踊りとなりました。

 国・地方 アメリカ
 タ イ プ グループ・ダンス カドリール(ワルツ・カドリール)
 音   楽 3/4 拍子(ワルツ)
 隊   形 カドリール・フォーメーション(スクエア・フォーメーション)
ヘッド(音響)に背を向けた組を1組とし、反時計回りに2組、3組、4組となる。1組、3組がヘッド・カップル、2組、4組がサイド・カップルである。
ポジション スターティング・ポジションは、スカート・スケーターズ・ポジション
  Part-2 からの、オープン・ポジションでは、つないだ内側の手を女性の臍の位置くらいで、前方に上げて保ちます。外側の手は、男性が腰の後ろに手の甲をつける様にホールドし、女性はスカートを持ちます。
 * 詳しくは、下記 Note をご参照ください。
 ステップ ワルツ・ステップ
 本   源 マリアン・アンド・ネッド・ゴゥルト夫妻
1950年代にアメリカで振りつけられた優雅な踊り。


  小 節  イントロ
 1〜4 スカート・スケーターズ・ポジションで待つ。

  小 節  Part-1 The Grand Chain
Head Ladies Star Three Quarters While Side Couples Wheel;;;:
All Four Couples Waltz One Quarter Around The Set;;;: ×4

 1〜4 ヘッド・カップル(1組、3組)の女性は、セット内に入り、右手を集めて右手スターを作り、逆LODに一回転する (ct. @23、A23、B23)、最後に左回りしてコーナーの方に進む (ct. C23)
ヘッド・カップルの男性は、3小節、その場で身体を少しスウェイさせながら女性の踊りを見守り (ct. @23、A23、B23)、最後にコーナーの方を向く (ct. C23)
同時に、サイド・カップル(2組、4組)は、スカート・スケーターズ・ポジションでホイールを3小節で行って元の位置に戻る (ct. @23、A23、B23)、ホールドを解き、男性はコーナーの方を向き、女性はコーナーの方に進む (ct. C23)
●ホイール [ Wheel ]
 その場を二人で回転すること。男性は後退し、女性は前進する。カーテシー・ターンと同様の動き。
 5〜8 全員コーナーを新しいパートナーにして、クローズド・ポジションに組み、男性左足後退からのワルツ・ターンで、セットをLODに1/4 進む。
 9〜32 小節1〜8をあと3回(計4回)行うが、最初のヘッド・カップルになっていた男性は、常に女性を円内に送り込むようにし、最初のサイド・カップルになっていた男性は、常にホイールを行う。女性は一回毎にパートナーが変わるため、最初にヘッドだった女性は、右手スター → ホイール → 右手スター → ホイール 、サイドだった女性は、ホイール → 右手スター → ホイール → 右手スター という風に踊りが変わる。

  小 節  Part-2 Lines and Stars
Head Couples Waltz To The Center;;  And Waltz Back To Place;:
Head Couples To The Center;;  Split The Sides;Four In Line:
Fours Pass Through;;;: Form A Right Hand Star And Open To A Line;;;:
Fours Pass Through;;;: Form A Right Hand Star And Open To A Line;;;:
Waltz Forward To The Center;; Take Partners To Place;:
Head Couples Waltz To The Center;;  And Waltz Back To Place;:

全員、オープン・ポジションになる。
 1〜4 ヘッド・カップルは、ワルツ・ステップ2回で前進し (ct. @23〜A23)、ワルツ・ステップ2回で後退する (ct. B23〜C23)、サイド・カップルは、その場で小さくスウェイしながら待つ。
 5〜6 ヘッド・カップルはワルツ・ステップで前進し、連手を解く (ct. @23)、男性は左回り、女性は右回りに90度回転しながら、男性は右手で向き合った女性の左手を受け、最後にサイド・カップルとオープン・ポジションで向き合う (ct. A23)、サイド・カップルは、その場で小さくスウェイしながら待つ。[図-1]
[図-1]
 7〜8 ヘッド・カップルは、サイド・カップルの間を通り (ct. @23) [図-2]、連手を解いて左右に噴水分かれになり、コーナーの回りを回ってその横に並び、相手ラインと向き合って、4人一列のラインを作って連手する (ct. A23) [図-3]
同時に、サイド・カップルは、男性は左足から左、右にバランス、女性は右足から右、左にバランスし (ct. @23〜A23)、ヘッド・カップルが通りやすいように道をあける。
[図-2] [図-3]
 9〜12 2列がワルツ・ステップ4回で前進し、向かいの人と右肩すれ違いで通り抜け、それぞれの相手の位置に進む[図-4] (ct. @23〜C23)、位置交代した位置でラインを作る。
10〜16 それぞれのラインの4人が右手を集めて右手スターを作り [図-5]、CWに一回転して元の位置に戻り、相手ラインと向き合って4人で連手する [図-6] (ct. @23〜C23)
[図-4] [図-5] [図-6]
17〜24 小節9〜16を同様に行う。
25〜26 2列がワルツ・ステップ2回で前進し、最後にヘッド・カップルとサイド・カップルとの連手を離し、ヘッド・カップルは、男性は左回り、女性は右回りに90度回転しながら、男性は右手で元のパートナーの左手を受け、オープン・ポジションになる (ct. @23〜A23)、全カップルがセット内を向く。
27〜28 全カップルは、ワルツ・ステップ2回で後退する (ct. B23〜C23)
29〜32 全カップルは、セット内へワルツ・ステップ2回で前進 (ct. @23〜A23)、ワルツ・ステップ2回で後退し、最後に最初のカドリール・フォーメーションになるようにセットを整える (ct. B23〜C23)または、ヘッド・カップルのみがセット内へワルツ・ステップ2回で前進、ワルツ・ステップ2回で後退を行う。

  小 節  Part-3 Around the Square
Head Couples To The Center;;  And Box The Gnat;:
Box The Flea With Your Opposite;;  Box The Gnat With Your Corner;:
With Your Opposite Box The Flea ;; With Your Corner Box The Gnat;:
With Your Opposite Box The Flea ;; Head Couples Back To Place;:  ×2

 1〜4 ヘッド・カップルは、ワルツ・ステップ2回で前進し (ct. @23〜A23)、続いてボックス・ザ・ナットを行う (ct. B23〜C23)
●ボックス・ザ・ナット [ Box The Gnat ]
 向きあった人と右手を上げてつなぎ、女性は連手の下を左回りに半回転して相手の位置へ行く。男性は、女性の回転を助ける様に前進し、右回りに半回転して相手の位置へ行く。ボックス・ザ・ナットとは、「ぶよを打て」の意味。
 5〜6 ヘッド・カップルは、ボックス・ザ・フリーを行い、最後に男性は左回り、女性は右回りに90度回転して、サイド・カップルと向き合う [図-7] (ct. @23〜A23)
●ボックス・ザ・フリー [ Box The Flea ]
 向きあった人と左手を上げてつなぎ、女性は連手の下を右回りに半回転して相手の位置へ行く。男性は、女性の回転を助ける様に前進し、左回りに半回転して相手の位置へ行く。ボックス・ザ・フリーとは、「のみを打て」の意味。
[図-7]
 7〜8 全員が、向き合っている人とボックス・ザ・ナットを行い、最後に男性は左回り、女性は右回りに90度回転して向きを変える (ct. @23〜A23)
 9〜10 全員が、向き合っている人とボックス・ザ・フリーを行い、最後に男性は左回り、女性は右回りに90度回転して向きを変える (ct. @23〜A23)
11〜12 さらに、全員が、向き合っている人とボックス・ザ・ナットを行い、最後に男性は左回り、女性は右回りに90度回転して向きを変える (ct. @23〜A23)
13〜14 さらに、全員が、向き合っている人とボックス・ザ・フリーを行い、最後にヘッド・カップルは元のパートナーとオープン・ポジションになる (ct. @23〜A23)
15〜16 ヘッド・カップルはワルツ・ステップ2回で後退する (ct. @23〜A23)、最後に最初のカドリール・フォーメーションになるようにセットを整える
17〜32 小節1〜16をサイド・カップルが主役となって同様に行う。

  小 節  Part-4 Arches + Waltz Chain + Waltz Promenade
Head Couples Advance Threes Arch And Pass Over ;;; All Turn To Place:
Side Couples Advance Fours Arch And Pass Over ;;; All Turn To Place: ×2
Balance Forward; And Back; Turn Partners On To The Next;:  ×4
Dip Back;  Box Waltz In Place;  Waltz One Quarter Around The Set;:;;
Balance Away ; Balance To Maneuver Man's Back To LOD:
All Waltz 1/4 Around;;;:
Pivot Clockwise In Place;;  Turn The Lady; And Bow:

 1〜4 ヘッド・カップルは、3回のワルツ・ステップで前進し、1組は3組の作ったアーチをくぐる (ct. @23〜B23)、連手を解いて互いに内回りし、再びセット内を向く (ct. C23)
 5〜8 サイド・カップルは、3回のワルツ・ステップで前進し、2組は4組の作ったアーチをくぐる (ct. @23〜B23)、連手を解いて互いに内回りし、再びセット内を向く (ct. C23)
 9〜12 ヘッド・カップルは、3回のワルツ・ステップで前進し、3組は1組の作ったアーチをくぐる (ct. @23〜B23)、連手を解いて互いに内回りし、再びセット内を向く (ct. C23)
13〜16 サイド・カップルは、3回のワルツ・ステップで前進し、4組は2組の作ったアーチをくぐる (ct. @23〜B23)、連手を解いて互いに内回りし、再びセット内を向く (ct. C23)
17〜20 全員、パートナーと向き合い、右手を肩の高さでつなぎ、男女とも右足からのワルツ・ステップで前進・後退のバランスを行う (ct. @23〜A23)
男性は右手を上げて前進し、女性は連手の下を左回り一回転しながら前進し、男性はLODへ、女性は逆LODにセットを 1/8 移動する (ct. B23〜C23)
21〜32 小節17〜20をあと3回(計4回)繰り返し、次々とパートナーを変えながら、男性はLODへ、女性は逆LODに進む。最後は、セットを1/2 移動し、向かいの位置でパートナーと出会う [図-7]。
[図-7]
33〜38 パートナーとクローズド・ポジションに組み、男性は左足からのディップ・バック (ct. @23)
男性は右足前からのボックス・ワルツを行い、男性壁向きになる(ct. A23)
男性は右足からの4回のワルツ・ステップで、セットを1/4 LODにワルツ・ターンで進む (ct. B23〜E23)
最後に、男性はセット内に背中を向け、パートナーと向き合う [図-8]
[図-8]
39〜40 パートナーと両手を連手し、男性左足より、男女が離れる様にバック・バランス (ct. @23)
男女が近づく様に前進バランスし、男性が右回りに90度回転し逆LODを向き(マヌーバー)、再びクローズド・ポジションに組む (ct. A23)
41〜44 男性は左足からの4回のワルツ・ステップで、セットを1/4 LODにワルツ・ターンで進む (ct. @23〜C23)
最後に最初のカドリール・フォーメーションの位置に戻る。
45〜48 その場で、1小節に2ステップ (ct.1 とct.3の時) のピヴォット・ターンを2小節行い、最後に男性LOD向きで向き合う (ct. @23〜A23)
男性は左手を上げ女性をトワールさせ、男性右足、女性左足をセットの外向きに伸ばしてトー・タッチし、挨拶して終わる (ct. B23〜C23)

 Note

●男女の組み方:オープン・ポジション
 より優雅に踊るために、次のことを留意してホールドします。
○男女とも優雅さを意識して立ちます。
 男女とも足を60度くらいに開き、ボールの位置で立ち、重心を決め、背筋を伸ばしてみぞおちを引き上げます。肩甲骨をやや下向きに寄せる様にし、頭の頂点を上に吊られたイメージを持ちます。両手を臍の位置位で、やや斜め前方向に広げて伸ばします。この時、手の甲を上にします。優雅さを表すには、直線的に手や腕を伸ばすのではなく、丸みを持った曲線をつくります。
○男女が同一方向を向き、男性左側、女性右側に並んで立ちます。
○男性は、右手の手の平を上にして親指以外の4指を閉じて、女性の臍の位置で肘を伸ばして、前方に上げます。
○女性は左手を手の平を下にし、親指以外の4指をそろえ、男性の右手の手の平の上にのせます。
 親指は男性の手の下に持ってきます。位置的には、男性の手を挟んで、自分の中指の第二関節の下に置きます。これは、ホールドであって握力は使いません。親指は男性の手の甲にギリギリ触れないところでホールドします。
○二人の連手した手は、約60度に開きます。
○男性の左手は、手の甲を腰の後ろに当て、女性の右手はスカートを持ちます。

JoJon